コラム<西嶋 環さん> お母さんのためのインターネット講座 vol.5
ママと子どもをネットの危険から守る
ネット活用ナビゲーター
たまちゃん先生こと西嶋環です。
コミュニケーションツールとして多くの人が利用しているLINE。最近ではこのLINEによりメール離れ現象すらおきるほど利用者数が増加しています。
LINEによれば日本国内利用者数は5,800万人以上、これは日本の総人口の45.7%に当たり、そのうち69.1%の人が毎日利用しているというアンケート結果があるそうです。 「マクロミル社・インターネット調査(2015年7月実施/全国15~69歳のLINEユーザーを対象)」より引用
その一方でLINEを悪用するケースも増加しています。
たとえば、2014年にLINEアカウントを乗っ取り、友だち・知人になりすまし、コンビニでプリペイドカードを購入するよう依頼し、電子マネーなど金品を騙し取るという手口の詐欺が多発しました。
そして2015年に入り、一旦騒動は収束したかに見えましたが、7月ごろより新たな手口での乗っ取り詐欺が急増しているようです。
そこで今回はLINE乗っ取りの新たな手口を説明し、自分が乗っ取られないための設定方法や気をつけるべき点についてご紹介していきます。
乗っ取り新手口
2015年8月にLINE公式サイトの発表によると、『最近、LINEを含むSNS・メッセンジャーサービスを使って友人や知人になりすまし、電話番号やLINEから届く4桁のSMS認証番号を聞き出した上、悪用をする行為が報告されています』とのこと。
この手口に騙され、認証番号を教えてしまうと、犯人はこれを悪用して新しいLINEアカウントを作ったり、別のLINEアカウントにログインしたりすることができるようになる一方、あなたが今まで使っていたLINEアカウントは一時的に使えなくなってしまいます。
通常、LINEアカウントを新しく作るときは、電話番号の入力が必要となります。
そして、入力された電話番号が本当に本人のものであるか確認をするために、SMS経由であなたのスマホに4桁の認証番号が送られてくるので、それを犯人は聞き出し、あなたになりすます、という訳です。
ただし、誰かがあなたの電話番号で新たにLINEを始めようとして、電話番号認証を行ったことが検知されると、LINEの公式アカウントから「【重要】他の端末のLINEから、あなたの電話番号による認証が要求されました」というメッセージが送られてきます。あなたは認証していないのに、このメッセージが送られてきたということは、あなた以外の誰かが電話番号認証をしようとしているということです。
もちろん、そのあとに誰かからPINコードを聞かれても、絶対に教えてはいけません。
その時点でPINコードを教えなければ、新しいアカウントはつくれません。
LINEに限らず、SMSで送られてくるPINコードは、銀行の暗証番号と同様、他人には絶対に教えてはならない重要なものだということを再度認識してください。
もし乗っ取られてしまったら?
もし、送られてきたPINコードを教えてしまい、電話番号を乗っ取られてしまったら、LINEを起動してもログインできず初期画面が表示されてしまいます。
この初期画面の「LINEユーザーログイン」画面でメールアドレスとパスワードを入力、またはFacebook認証で再ログインしてみてください。
これでログインができLINEが利用可能になれば、電話番号は取り戻せたはずです。
ただし、ここでログインができなかった場合は、アカウントを乗っ取られた可能性が高いです。これは昨年おきたプリペイドカードを購入させる詐欺事件同様、メールアドレスとパスワードが他から漏れており、さらにそれと同じパスワードを使いまわしていることにより、完全に自分になりすまされている可能性があります。
その場合は、自分の友だちに被害が拡大する可能性があります。
乗っ取られないための対策は?
まず、なぜ自分のLINEアカウントが他に漏れてしまったのか?
これはLINEの運営会社によれば、こうした乗っ取りは、他社のサービスから流出したIDとパスワードを使って行われているとみられるということで、LINE運営会社そのものからの個人情報流出ではないということでした。
LINEは通常複数の携帯端末で同じアカウントを使用することができない設定になっています。
LINEのアカウントはスマートフォンや携帯電話の電話番号にひも付けされおり、自分のスマートフォンで利用しているアカウント=自分のアカウントであり、他の人のスマートフォンを借りて自分のLINEを利用することはできないということです。
ところが、PC版のLINEなら同じアカウントで同時に利用することができます。
それを利用する場合は、事前にメールアドレスを登録しておく必要があります(通常使用の場合は登録不要)。
この登録したメールアドレスとパスワードを使ってPC版ではログインし、利用可能となるわけです。
またスマートフォンを買い換える際、新しい端末でのアカウント引継ぎに利用するためにメールアドレスを登録することもあります。
●LINEにメールアドレスを登録している人
そして他社のサービスから流出した個人情報が使われているということは、
●他社のサービスと同じパスワードを使用している人
この2点に該当する方は乗っ取りの被害にあう可能性の高い人と考えられます。
1.パスワードを変更しましょう!
2.
他のサービスと同じパスワードは避けましょう!
3.
「他端末ログイン許可」をオフにしましょう!(PC版を利用していない人のみ)
4.
PINコードの設定
PINコードの初期設定は電話番号の下4桁が設定されているので、そのままでは他人に知られやすい暗証番号になってしまいます。もしまだ初期設定のままであるのなら、必ずPINコードを独自の暗証番号に設定し直してください。
LINE公式サイトに詳しく対策についての記載があるので、「私は大丈夫!」と過信せず、必ず一度目を通しておきましょう。
LINE公式サイト
次回は「LINEによるいじめ 子どものネット社会」についてご紹介します。
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